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flow-3d適用
宮本のカスタマイズ Preview
ConiferCast Preview
会社概要
CAEサービスFLOW-3DConifer Cast
flow-3d適用事例
カスタマイズ
FlowScience社
Simtech/VTT社
静岡大学工学部教授 中村 保教授
最近、地球温暖化を防止するために、CO2の削減はグローバルな課題として、クローズアップしてきた。さらに、ガソリンの急激な値上がりは、消費者が自動車やオートバイの使用を控えることを加速する傾向となっている。輸送用機器産業では、自動社の車体を100kg削減すると燃費が1km/l向上するため、燃費向上にために、自動車の軽量化に躍起となっている。図1に示すように、自動車の軽量化を図るための方策としては、構造の合理化、高張力鋼板の使用、材料の置換がある。
車体質量
軽量化指標
炭素鋼を基準とした場合
我が国では、すでに590MPa級のハイテンの使用が普通となり、現在は、980MPa超級のハイテン材の使用が試みられている。しかし、鋼に比べて密度の低いアルミニウム合金やマグネシウム合金の利用が少しずつ進み、さらには炭素繊維強化樹脂の使用も視野に入ってきている。それぞれの密度は、鋼7.8g/cm3、アルミニウム合金2.7g/cm3、マグネシウム合金1.8g/cm3、炭素繊維強化樹脂1.5-2.0g/cm3程度で、図2に示すように、比強度では、マグネシウム合金の展伸材が優れている。また、構造部材として使うためには、曲げ剛性が必要になる場合が多いが、この点でもマグネシウム合金はアルミニウム合金より15-20%程度優位になる。
表1に、マグネシウム合金の技術ロードマップを示すが、ドイツでは2000年以前から技術開発が進められ、ヨーロッパでは自動車への適用が積極的に進められている。マグネシウム合金は常温で結晶構造が六方晶金属であるため、塑性変形が起こりにくいが300℃程度以上に加熱するとアルミニウム合金並みの塑性加工性を示す。わが国でも、モバイルパソコンの筐体として実用化しているが、現状では、展伸材の価格がかなり高いため、自動車用構造部材としての利用はまだ積極的ではない。しかし、中国製のマグネシウム合金地金が比較的安く購入できるようになってきたため、ダイカスト等による自動車部品が実用化するようになってきた。マグネシウム合金のダイカストは、基本的には、アルミニウム合金の場合と同様の設備によって生産できるが、異なる点が幾つかある。第一にマグネシウム合金はアルミニウム合金に比べて熱容量が小さく凝固時間が短いため、高速で射出して金型内に速く充填させねばならない。また、アルミニウム合金の場合は金型を水冷却するが、マグネシウム合金では冷却が速すぎるため、金型を加熱しないと溶湯が回らない。第二にマグネシウムは大気と激しく反応して燃焼するため、溶湯を大気からシールドする必要がある。すでに、マグネシウム合金のダイカスト製品は自動車のパワートレイン部品、車両部品、車体部品として実用化が試みられている。図3はシートフレームへの適用例、図4はステアリングメンバーへの適用例である。これらの部品では、従来品に比べて45-50%程度の重量軽減に成功している。 浜松産業創造センターでは、経済産業省支援のプロジェクトとして「21世紀の輸送用機器関連産業に対応する新素材、新成形技術」のカリキュラム体系を立ち上げようとしている。そこでは、高張力鋼板、チタン材料、マグネシウム材料、炭素繊維強化樹脂の基礎的特性と成形技術について、2007年度に教材を作成し、2008年度に実証講義を開始する予定である。本解説の図表及び説明内容の出展は、日本塑性加工学会編:新世紀に飛躍するマグネシウム合金の成形加工技術、塑性と加工、48-556(2007-5)による。